2021年10月8日、国際連合人権理事会は、第48回定例会合において、「安全でクリーンで健康的で持続的な環境への権利」決議を採択し、生物多様性や生態系に関するものを含め、安全、清潔、健康的で持続可能な環境への権利を、人権の一つと規定しました。
本決議は、環境に関する人権を認めた初めての決議で、直前まで反対をしていたイギリスが賛成に転じ、43カ国の賛同、反対ゼロにて可決されました。ロシア、インド、中国、日本の4カ国は棄権しました。
今回の決議では、気候変動と環境破壊が世界中の何百万人もの人々に深刻な被害を与えていることを認め、また最も脆弱な立場にある人々がより深刻な影響を受けていることを強調しています。ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、声明の中で加盟国に対し、健全な環境への権利を迅速かつ実質的に実現するための大胆な行動をとるよう呼びかけました。
世界銀行は、政府が気候危機対策や社会的保護などの対策を取らなければ、気候移住者*は、2050年までに2億1600万人に達するだろうと推測しています(世界銀行、2021)。特に、女性や子どもは、家族の男性が離れた地域に出稼ぎに出ることにより長期不在となるため、あるいは厳しい家計などのために、人身取引や強制労働、性的虐待のリスクが高いとされています。
環境課題、人権課題を一連の課題と捉え、今後ますますの対策を講じることが求められています。
詳しくはこちらをご覧ください。 https://news.un.org/en/story/2021/10/1102582 https://jp.reuters.com/article/climate-migration-world-bank-idJPKBN2G91E1
*気候変動・環境破壊が原因で強制移住しなければならない人々
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